佐倉絆

スターボード

しあわせ配達人・ユリ子

厳しい現実に悩む男達を相手に、時には家族の一員のように身の回りの世話をし、またある時はクライアントの性処理もいとわない、あらゆるサポートをする出張カウンセラー達がいる。それがNPO団体・きぼうの輪《しあわせ配達人》である。その中でもクライアントから天使のような存在と人気絶大なユリ子(朝倉ことみ)は、一年前まで平凡なOLをしていた。しかし妻子ある上司と不倫をしていて、上司の妻が第二子を妊娠したことをきっかけに友人の麻里(涼川絢音)に誘われこの仕事を始めるようになった。そんなユリ子が今日訪れたのは、妻に先立たれた後、娘にも家出され、塞ぎ込んでいる一人暮しの源五郎の家だったのだが…。
しじみ

スナックあけみ

夕暮れ時、吉井が開店前の「スナックあけみ」へと入ってゆく。店内には開店準備をするスミレ(霧島さくら)の姿があった。三年前、スミレはカラダを売りながらその日暮らしの日々を送っていたが、ある晩、客が寝入った隙に金を抜き取ろうとした所を咎められ、顔面血だらけで道にうずくまっていた。そんな時、通り掛かった吉井に助けられ、店じまいをしていた妻・明美(黒木歩)のもとに連れて行かれた。その後スミレは吉井夫妻や常連客たちに見守られながら自分を取り戻してゆくのだが…。
スターボード

溺愛 調教の記憶

海と山に囲まれた静かな町で、美咲(羽月希)は大学教授だった亡き夫の後を継ぎ、小さなメンタルクリニックを営んでいた。ある日近くの海岸を散歩している時、波打ち際に倒れていた青年を助ける。一度は施設に引き取られた青年だが、記憶を取り戻せない彼は再び美咲を訪ねてくる。クリニックの経営が芳しくなく、先代のような本の執筆を出版社から勧められていた美咲は、青年を題材に彼の過去を催眠療法でひも解く事を決意する。その日から青年を同居させながらの治療が始まるが、幼少期の母親や涼子(佐倉絆)という謎の女の存在が明らかになる。そして青年の記憶の奥底に潜む倒錯の性に触れるなか、やがて美咲自身も閉ざされた自身の過去が暴露しはじめ…。
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赤いふうせん

結婚式を目前に控えたミチル(友田彩也香)は、婚約者の准也と激しく絡み合っていた。その夜、准也のマンションからの帰り道、ひと気のない地下道で、赤い風船を手にしたピエロと遭遇する。怖くなり自宅に逃げ帰ったミチルだが、なんとクローゼットに潜んでいたピエロにレイプされ、数日後、謎の投身自殺をしてしまう。一方、同僚のユウ(佐倉絆)とマリ(涼川絢音)は、ミチルの葬儀の帰り道に喫茶店で話をしていた。するとカウンターの向こうに青白い顔のミチルが、二人を見つめている事にユウが気付くのだが…。