並木塔子

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恋の豚

食べることが大好きでお人良しなマリエは借金返済にいそしむ風俗嬢。仕事帰りにピンチを救ってもらったカズに一目惚れする。ぶっきらぼうだが憎めないカズを自分のアパートに連れて行き、その夜から同棲を始めた。自らをOLと偽っていたマリエはある日、指名客にプロポーズされたと口走ってしまう。翌朝になるとカズは姿を消して戻ってこない。失意の日からしばらく経って、マリエは送迎車の窓から偶然にカズの歩いている姿を見つけた。再会した二人は成り行きでカズの家にたどり着くが、玄関には謎めいたスレンダーな美女が現れて…。
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野良猫とパパ活

その昔、処女作にしてベストセラーを世に出した小説家の文明(奈良坂篤)は、何不自由ない暮らしを送るも二作目が書けぬまま還暦を目前にしていた。ある日、ふとした気まぐれから編集者の高橋と立ち寄ったバーで、夜の街におよそ似つかぬ愛純(乃木蛍)という少女と出会う。ちぐはぐなやり取りの末、愛純と連絡先の交換をした文明は、その日から苦渋に満ちた甘美な世界へとのめり込んで行くことになる。一方高橋は、文明が最近別れた愛人の元子(並木塔子)と密かに逢瀬を重ねていたのだが…。
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いつか 裏切りは雌の顔

風俗嬢上がりのいつか(小倉由菜)は、バンドマンの広夢に自分の夢を重ねていたが、それが断たれた彼女は空っぽで、何もする気になれずにいた。そんな彼女を心配したスナックを営む真一と佐知子(並木塔子)は、いつかを暖かく迎い入れ店で働かせることにした。元教師の佐和子は、今までまともに勉強に取り組んだ事のなかったいつかに教鞭をとり、やがて二人の信頼関係は強くなって行くのだが、やがて真一との禁断の恋が芽生えてしまい…。